夜は墨染め～安田章大の弾き語り [忘れてもらえないの歌]
【忘れてもらえないの歌】
エンディング曲は
スカパラの沖さん作曲
唐突に歌われるのではなく
ちゃんとストーリーに沿って
徐々に明らかになっていく曲
沖さんがパンフレットで
話しているように
「普通の言葉では表せない気持ちが
昇華されて、歌となったりします」
「誰にも
覚えてもらえないかもしれない、
一人の人間の心の叫びが
安田章大さんの声を通して
舞台の上で体現される」
まさにそうでした！
騙されてるとも知らずに
「坂本」という歌手が歌う曲を
滝野(安田)たちのバンドが
作ることになった
渋る良仲(中村蒼)に滝野が言う
空襲の日、この店で会ったよね。
あの時、きみは必死でレコードを
守ろうとしてた。
レコードだけじゃなくて
音楽を楽しむってことを
戦争に奪われないように
抵抗しているようにも見えたよ。
そんなきみが
レコードを作れるっていう
楽しみを
自分で奪うようなまね、
しないでよ！
きみのこだわりは
音楽の素晴らしさの前では
無力なんだ
仲間は楽器を売り払っていたが
滝野は
ギターを手放していなかった。
そのギターを頼りに、
ボイパを足して曲作りが始まった
曲作りの間は
ヤスくんのアコギ堪能です。
お芝居は”滝野”だから
全然ヤスくんじゃないけど
アコギはヤスくんなんだよね。
ストロークの
♪シャラ～ンとした感じとか、
カッティングとか、
すごく聞き覚えのある
ヤスくんの弾き方！
よく聞こえて うれしい
麻子(木竜麻生)が言う、
歌は明るくても
それを歌わなきゃいられない時の
気持ちも大事にしたい
このセリフ、
ヤスくんの言葉かと思ったよ。
歌はリズムの添え物じゃない、
言葉を並べただけのものでもない。
ヤスくんの歌ってる歌からは
いつもいつも
ヤスくんの気持ちを感じるから。
だからヤスくんの言葉に聞こえた
そしたら、次のセリフが
滝野みたいな？
って。
誰の言ったセリフなのか、
忘れたけど、でも確かに
滝野みたいな？
って！
福原さんが
ヤスくんを思い浮かべて
書いたのかなあって思う
俺？
稲荷（？)滝野くんみたいな。
辛い時ほど笑っていたから。
きみが笑うたび、心配してたよ。
何を押し殺して
笑ってるんだろうって
そんなこと、ないよ
図星だったのか、
ずいぶん間が開いてからの
返事だった
じゃ、曲調は
暗い時の滝野がテーマだ
そうして和気あいあいと
曲を作り上げていって
最後まで作ったら
笑い声をあげる滝野
笑ってる
あ、いや、
これ、本当に楽しくて
じゃあ今まではやっぱり
ムリしてたのね
……そういうわけじゃ
仲間が出来て
楽しそうに曲作りしてる姿、、
いいもんだよね
結局、
作り上げた『夜は墨染め』は
曽根川(村上航)に騙され
レコードになることは無かった
失意のまま、店で
レディー・カモンテと再会。
昔の、
良き時の話をするカモンテが
「忘れられてく」と言うと
いいんじゃないですか？
忘れてもらえるなら。
歌を作ったんです、この店で。
でも、
誰にも聞いてもらえないままの
歌になりました。
一度でも光を浴びたなら
たとえそれが忘れ去られても
幸せなことだと思います。
僕たちの歌は
忘れてすらもらえませんでした。
忘れてもらえない歌？
はい
おもしろそう、聞かせて。
お願い！
じゃあ
促されて『夜は墨染め』を
歌う滝野。
ギターの手癖だけがヤスくんで
声と雰囲気は滝野そのもの！
難しい言葉は無い歌詞なのに
滝野の気持ちが
歌詞の情景と重なって
切なくなる
と、突然、
店の解体工事が始まった。
滝野は驚いて歌うのを止め、
少しの間、呆然としたが
今度は吹っ切れたように
続きを歌いだした
♪なけなしの おかしみで
滝野が歌い上がる声に
私は泣けてきたよ。
それも静かに静かに涙が流れる、
切ない気持ちで泣いていた
ヤスくんの弾き語りは
滝野そのものだった！
歌い終わったらカモンテが
うん、いい歌じゃない
そう言ってくれたので、
絞り出すような声で
ありがとうございます
お礼を言ったら
いつか忘れてあげる
ふはは
本当は
たくさんの人の心に残って、
忘れられたかったのか！？
でも、人生は
思うようにはいかず、
それでも生きていかねばならない
福原さんが
ヤスくんをキャスティングしたのが
透けて見えるエンディングだった
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